変えぬもの 変えるもの

 

当地にて27年間、地域歯科診療に従事してこられたことは、当歯科医院のコンセプトの一つ、その時だけではなく、長くお付き合いさせて頂けることに多くの方達のご支援があったからこそと心底より御礼申し上げます。この度縁あって、隣地に移転することになり診療機器を始め多くを一新し、再オープンすることになりました。

 診療機器はその時の最新を選び変わりますが、私達スタッフは変わりません。27年前にいたスタッフ3名の内2名が今でも、私と共に居てくれる事。20年を超える時間を共にいてくれるスタッフも2名在籍していてくれる事。彼女たちにも感謝しかありません。ベテランスタッフ4名以外にも若いスタッフがいてくれます。若いスタッフ達の一人は、当歯科医院に2歳から通院して矯正も当歯科医院で行い、私の勧めで歯科衛生士の職を選んでくれました。彼女たちの存在なしには、当歯科医院は存在し続けてはいません。これからも一緒にいる時間を共有できることに感謝、勇気そして責任を感じる次第です。

 長く通院していただいている方達にも色々な事を学ばせていただいております。歯科医療は、世の流れと同じ様にとてもスピーディーに変化しています。その時のベストをご提示させていただき、その後の経過を診ていくこと。この事が私達歯科医師を成長させてくれる一番の勉強になります。全ての方達の予後(治療後の経過)が良ければいいのですが、残念ながらそうとは限りません。ご本人様には申し訳の無い状態すらあります。力の無さ、その時の判断、診断、そして、説明はどうであったのか。多くの課題を突き付けられます。

 そんな日々の臨床でも、長く通い続けていただいている方達には感謝しかありません。当歯科医院がこれからも長くお付き合いさせて頂ける歯科医院となるよう、なれるようこれからも皆で頑張って参ります。

 

 診療機器の一新は私達に新たな可能性を与えてくれます。今まで歯科医師の技量に計っていたものが見えるようになったり、治療がスピーディーになったりします。しかし、いつも心に思い起こすことは、メスは人を傷つける物にも、治療の効果を上げる道具にもなり得るという事。たとえ診療機器が新しくなったとて、それを使う医師の技量により、人をただ傷つける道具にもなり得てしまうという事。今回CT撮影装置が導入され、これにより多くの可能性が広がります。しかしX線の被爆という目では見えない大事な問題があります。撮影機会は増えることが予想されますが、被爆量を考えるべきは歯科医師です。機器の選定で、X線被爆量の少ないものを厳選し、尚且つ、しっかりと有効性を判断、診断していかなければなりません。最新診療機器はすぐに陳腐な道具となるかもしれません。歯科医師としての技量を見つめ直す事をいつも胸に刻み、新たなスタートとなれるよう、変わらぬスタッフ、変わらぬ思い、新しい環境で令和元年に再出発します。

 

多くの方達の変わらぬご支援をお願いする次第です。

 

いつものスタッフがいつもの笑顔でお待ちいたしております。どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。